2023年3月12日日曜日

舞台美術ワークショップ④


3月12日(日)、舞台美術ワークショップも4回目を迎えました。

昨日に引き続き、今日も舞台で使う道具を作っていきます。


作業に入る前に、講師の長峰さんが、これまでのお仕事で描いたデザイン画を見せてくださいました。


長峰さん「”舞台美術家って何をしている人なの?“って言う人って意外と多いんですよね。聞いてみると、一度も演劇を観たことがない人も意外といたりするのが事実で…。舞台美術家の名称も、セットデザイナーやセノグラファーとか、呼び方が多様化していて。それがちょっと面白かったりするんですよね。」


『プラハ・カドリエンナーレ』という舞台美術の祭典。以前は舞台模型が展示されていた世界の舞台美術を見ることができるそのフェスティバルで、長峰さんはこの10年くらいで世界の舞台美術の状況が変わってきているのを感じているとのこと。

時間と空間を見せていくのが舞台美術の本質だということで、パフォーマンスみたいなものも登場してきたそうです。


「今年も舞台美術の模型を展示するブースもあれば、街に出て舞台美術を持ち出す人もいて。まだまだ舞台美術の見せ方は1つに限らないというのがありまして、それが今回、私が皆さんと実験したかったことに繋がっていて、とても勉強させていただいています。舞台美術の面白いところって共同制作って部分で、今回に関しても面白いなと思うのが、自分の絵じゃないもので構成されていて、しかも元になった皆さんの絵本も、他の人が描いた絵から構成されているってところ。1つの点と線というキーワードからレイヤードされて作られていくのが面白いと思っているんです。」


だからこそ、今回のワークショップが長峰さんの中でも意味のあるものになっているそう。


いま作っている道具も、チームで自由にアイデアを膨らませてOK。

それぞれのチームの進捗も共有して、いよいよ作業に入っていきます。



いちばん大きな『太陽』の舞台美術を

作っているチーム。墨で豪快に描いています。


よく見ると…

丸めた紙に墨を浸したものを使っていました。



こちらのチームは…

それぞれ描くものを分担。
下書きをしてから本番に挑みます。


『ハネ』を作っているこちらのチーム。

ダンボールに直接描いて、

慎重に切り取っていきます。



こちらの部員さんは、道具に使う素材の絵を

ひたすら描いていきます。

どんな風になるのか楽しみです。



元の絵のにじみをどう再現するか

ひたすら試しているこのチーム。

長峰さんから意見をもらいながら、

理想のにじみを追求していきます。



1時間半ほど経ち、休憩しましょう~と声がかかっても皆さんなかなか作業の手が止まりません。驚異の集中力で次々と道具が作られていきます。


部長のおみつさんがすいすいと絵を描いていました。

見慣れない筆を使っていたので見せてもらうと、

小さな筆をつなげて新しい筆を開発していました。

発想力がすごいです。




今回も時間はあっという間に過ぎていきました。

どこまで進んだか、進捗確認をしてこの日は終了。


皆さんのパワーがたくさん詰め込まれている道具たち。

これが舞台上でどう使われていくのか楽しみです。


(マネージャー・まりこ)


 

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2023年3月12日(日)舞台美術ワークショップ④
講師インタビュー

「長峰さんに聞く!」


―今日、参加者さんがこそっと「みんな隠し持ってるものを出してきてるよね」って声をかけてきたんです。
(長峰)
それぞれのこだわりがすごくあって、本質が出ていて面白かったですよね。わたしが「こうつくって」って段取るほうが楽だし早いんだけど、みなさん「こうつくりたい」って意思があって、大変だけど(笑)いいなって。
みんなの絵をまとめたものを、今度は自分の道具として変換してつくろうとしてる。ある意味ちょっとアート作品になってきてますね。道具帳を見ないでつくる人たちもいるし(笑)。つくらされてるっていう作業になってなかったのがよかったですね。
それに今度は手先だけじゃなく、からだ全体をとおしてつくっている。ある意味不自由なクリエイションなんだけど、逆に自由になるというか。

―自分の直感だけじゃなく、人の直感に上乗せする。そんなレイヤーが連続していって、アートフルなクリエイションが起きていますね。そこを裏でしっかり支えると、昨日話していたクオリティというところにつながる……
(長峰)
そうなんです。そこらへんを次回以降、形にしていこうと思っています。これが道具になって立ち上がっていき、柏木さんのストーリーと重ね合わされていって。

―そして、ここでつくってきたことを客観視して、変容して、次へいく……という。地域に目を向けると、お互い知らないってことが多いんですが、そういったことが集まり、客観視できる役割として劇場があることは、すごく意識しているんです。
(長峰)
お互いのクリエ
イションを客観的に見て、お互いを知る。お互いの文化を知る場所というか。今回の発表も「もうちょっとこうやったらよかったよね」みたいなことが出てくればよいと思っていて。「よかったね」だけで終わるんじゃなくて、次につくる時はこうしたい、またつくりたいっていうのにつながるといいかなと思っています。
人とつくっていると、予想しないアイデアを出してくる。経験がない人とつくるとそういったことがもっと出てきて、別の発想というか、何か新しいことを習得できるなっていうのが、わたしにとってもあるんですよね。
今日つくりながら思ったんですけど、「点と線」って置き換えれば「丸と棒」。今回の演目も、ここの土地の原始的なものを直感的に、わたしと柏木さんとで読みとってつくっちゃったのかなって感じがありますね。不思議ですね。

2023年3月11日土曜日

舞台美術ワークショップ③


3月11日(土)、舞台美術ワークショップ③が行われました。

この日は土曜日ということで、いつもより早い13:30からスタート。

いよいよ舞台美術を実際に製作していく作業に入っていきます。


今回は長峰さんが強力な助っ人を連れてきてくれました。

大道具の宮本洋平さん。

もともとはNHKの子ども番組をはじめ様々な現場で大道具さんをして、現在はフリーランスで活躍されています。 


長峰さんから宮本さんのご紹介。
「私の片腕ともいえる宮本くんです。市民館にはぴったりかなと思って連れてきました。」


作業を始める前に、長峰さんから舞台美術がどういう流れで作られていくのかと、今回のワークショップではどのように作業を進めていくのかお話いただきました。

長峰さん「今回はちょっと異例なやり方をしているんですが、皆さんの絵本がテキストとしてスタートにあって、それをプロセニアムアーチ…劇場らしい形の劇場で上演するので、それにあった絵を皆さんの絵本からサンプリングして作りました。舞台美術家がやることもまったく一緒で、はじめエレベーション、いわゆる正面図を書きます。普通戯曲があるときは、このシーンはこういう絵があるというのを平面図と絵で見せていくんですけど、今回は自由だったんで自分で自由に作りました。皆さんの絵本から、これは面白いかもと思った『点と線』を感覚的に一つずつ取って配置していきます。デザイン画を描いた人はイメージが掴めるんですが、演出家や出演者みんなが分かるように、立体の模型を作ります。」

エレベーション

実際の模型も作ってきてくださいました


長峰さん「舞台美術は分業制になっているので、まず舞台美術家、プランナーがいて、大道具会社に発注します。大道具会社にもセクションがあって、大工さんや背景さんがいて…。背景さんはデザイン画の絵を実際の大きさに拡大して描いていくんですが、最近は大型プリンターでの出力が多くなっていて…。でも人が描いたものはやはりいいんです。今回はいわゆる書き割りという平面に絵を描いたものがメインになるので、背景さん的な作業を皆さんに体感してもらおうと思っています。最初は出力でやろうと思っていたんだけど、この小さい絵を試行錯誤して大きく作るのも面白いかなと思って。大きいものにするのにどうやって転換していくかを身体を使ってやっていきます。少し遊びながら、吊りなどのテクニカル的な部分は宮本さんや劇場スタッフの助言をいただきながら作っていければ。」


さらに、手に取ってみせてくださったのは道具帳。

道具帳

長峰さん「この絵はこの寸法ですよと書いてあるものを道具帳と言います。平面図、正面図、模型、書き抜き図面、道具帳、このセットを大道具さんに渡して作ってもらいます。今日は書き抜きの大道具を実際に作っていきましょう。」

道具帳の上の方に、『もやもや』や『微生物』などそれぞれ別の言葉が書かれています。これは道具の名前なのだそう。

「名前があるとみんなの共通事項としてやりやすいので。今日は太陽と風①を作っていこうと思います。ほかの道具は書き割りだけではなく、絵に合わせて変えていく感じでやってみたいです。絵の雰囲気を舞台上でどう再現するか。」


ダンボールパネルや、ロールの大きなわら半紙、クラフト紙などを使って作っていきます。



作業に入る前に宮本さんから大道具を作る際の考え方について詳しくお話いただきました。

宮本さん「舞台美術家やデザイナーの意思を汲んで作っていくんですが、まず手順で言うと、どういう風に材料を使っていくのかを計画します。実際の大道具の手法でいくと、作業をしている部屋から大道具を出して劇場まで運ぶのに、何人の人でどのくらいの時間がかかるかをプロの人は考えます。今ここでやっていることも、他の劇場に行く場合はトラックを借りないといけないかもしれないし、その場で作らないといけないかもしれない。状況によっては作り方が全部変わるかもしれない。今回も分割して作ります。じゃないと部屋から出ないので。なので、それまで考慮して材料の割り方を考えて作っていきます。」

ケガに気を付けながら実際の作業がスタート。


■まずは『太陽』から

みんなでダンボールパネルを並べていきます。


そして並べたパネルをクラフトテープでつなぎ合わせて貼り合わせていきますが、その前に…

「1ミリのずれも、10メートルの大きさになるころには1センチのずれになっていたりします。」と宮本さんから助言が。

ずれないように…皆さん集中して作業をしています。


ひっくり返すときはみんなで一緒に。
こうしてみると大きい~~!

皆さんが作業をしている間に、角材や釘を使って宮本さんがお手製のコンパスを作っていました。

テープでつなぎ合わせたほうを裏にして、絵を描くための下地の紙を貼ったら、いよいよ大きなお手製コンパスで円を描いて切っていきます。

円を描く作業は2人くらいがやりやすいということで、宮本さんと、舞台の仕事をされていて大道具の経験もある部員のイチカワさんがコンビになって行いました。


線に沿って丸く切っていけば、太陽の土台が完成!
きれいな円形です!


■風をつくる・中道具、小道具のディスカッション

次は5人くらいで「風」を作るチームと、中道具と小道具を作っていくチームに分かれて作業していきます。

宮本さん「一番大変だと思っていた太陽がこんないい感じにできて…。皆さんどんどん取りかかってくれて本当に助かって、こうなったんだ…って感じです。皆さんのこと知らなかったからすごいなって。」

風①の作業は宮本さんが見守りながら、中道具や小道具については長峰さんと方針を決めて、できるところまで作業していきます。

風①を作っていくチーム。宮本さんのアドバイスのもと、協力しながら作業を進めていきます。



中道具・小道具の方は、3、4人くらいの4チームに分かれて分担して作っていきます。

宮本さん「これは長峰さんと皆さんのイメージをシンクロさせていくような作業になります。太陽は絵というしがらみがあったので、円形にしましたが、他の道具は例えば紙をくしゃくしゃにして貼ってもいい。たまにはまっすぐじゃないと困るものもあるし、うねうねしている方が調子がいいものもある。そういう感じで、残りの道具帳を机に並べて皆さんの目線で決めていきたいです。」

長峰さん「しわみたいにしたいとか、そういう考え方で、作り方をディスカッションしていきたいと思います。」

宮本さん「道具として使えないといけない。危なかったりしてはいけないので、ちゃんとパーツがとまっているかとか、思ったように動かせるかとか、ちょっとルールの部分は丁寧にしていきたいと思います。紙を折りかえすときはテープでとめるとかね。」

道具帳を見ながら、どんな風に作ったら良さそうかを話し合って決めていきます。

「作りやすそうなものから1個作ってみてもいいですね。」と長峰さん。

「ここ切っちゃっても面白いかもね~」など、皆さんから出た案をさらに生かしたアドバイスをしていくださいました。


方向性が見えてきたチームは実際に作業をしたり、試し描きをしてみました。



3時間という長さのワークショップでしたが、集中して作業している間にもう終了の時間に。

「明日も頑張ってください。皆さんすごいですね。すごいとは聞いていたんですが、本当に一緒に作業できてありがたいです。」と宮本さん。次回いらっしゃるのは来週。

「中道具や小道具のアイデア出しをして、Go!ってところで今日は終了なんですが、気持ちを明日に持っていって。風を作ったチームには、明日は太陽と風の絵をお任せします。」と長峰さんからも一言お話いただいてワークショップ終了です。


たくさんの作業を集中して行った今回のワークショップ。

ケガに気をつけながら、楽しく作業していきましょう。

(マネージャー・まりこ)


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2023年3月11日(金)舞台美術ワークショップ③
講師インタビュー

「長峰さん、宮本さんに聞く!」

 ―今日は長峰さんに加えて宮本さんに入っていただいたんですが、作業をしながらその場に合わせて、ある意味基点となるような声がけをスッと差し込まれていたのが印象的でした。
(宮本)
今回は、ただやって終わりというのではなくて「見せる」っていうゴール地点があって、そこへの進め方ってあると思うんですが、「疑似体験」っていうのがぼくのやるワークショップの考え方なんですよね。そこに生活の足しになるようなことを入れようと思ってます。釘が飛び出ていて事故が起きるんだったらやっぱり抑えるべきだし、そういう要素をみんなが持っていれば、いい仕事につながりますよね。それに、舞台は共同の仕事だから、通りすがりに「あんときありがとね」ってひと言入れることがどれだけ大事か。グルーヴですよね。

―昨日、柏木さんとも「ちゃんと話そう、言っていこう」っていう話をしていたんですけど、つながっています。何かをつくっている先にだれかがいるということを感じられる声がけも多くて、それが一緒に楽しくつくっているなかでの言葉だから、みなさんに入っていっているように見えました。
(宮本)
あと、長峰さんはやっぱり美術家さんなので、ビジョンがあって締めるところは締める。後半、グループごとディスカッションするという流れにしたんですけど、みなさん各々がもつ力のうえに、長峰さんがスパイスをかける場を用意しようっていうのが今日の裏テーマでした(笑)。みなさん個性もあるし、ルートはばらばらでいいんだけど、長峰さんが示す「こうしたい」というビジョンに、それぞれのやり方で走りつづけてたどり着くというか。ここの土地にもともとある力に、外の人をまぜて対流させることで、積んでいるエンジンがオイル交換されるみたいな感じですよね。

―長峰さん、柏木さんのいう「変容」の部分ですね。もともと力はあるんだけど、何かしらの出会いによって変化する。違う形に生まれ変わるという。
(長峰)
確かに。そこが持続性につながりますよね。今回、わたしも実験精神を大切にしていて。参加しているみなさんが自分から考えてやるメンバーなので、意見交換しながらその場で進めていくやり方がいいなって思ったんです。教えるというより一緒に考えながら新しいことをやりたいって思えたんですよね。それで、決まったものをつくるっていうより、その場で変わっていくかもしれないんだけど……ということに対応できるのは宮本くんだったので(笑)、今回助っ人をお願いしたんです。
「点と線」の絵を劇場の大きな空間に持っていって、演劇に落とし込むっていうのはわたしにとっても初めてのことなので、すごく楽しみです。これをクリアできたら次につながるというか、これをベースに新しい、もっと面白いことができるなって。
今までやってきた経験値をもとに、そこに収まらない新しいことをやる。経験値を超えたチャレンジができる。ここ(市民館)には失敗とか成功っていうんじゃなくて、おっきい器というか、場がある。「楽しく、楽をしない」っていうのができるといいなと思ってます。 

(宮本)参加している人にとっても、こちらにとってもチャレンジになる場っていうのが、ここ(市民館)のビジョンなんですね。そうすれば相乗効果でクオリティが上がって、ここに来たら面白いものが観られるっていう確固たる理由になる。当たりもあれば外れもあるっていちばん面白いじゃないですか。そういうエネルギーが対流するところになったら最高ですよね。やっぱり「人」がすべてだし、未来への投資ですよね。


2023年3月10日金曜日

演劇ワークショップ③

3月10日(金)、演劇ワークショップ③が行われました。

前回の演劇ワークショップでは、講師の柏木陽さんが作った台本の内容を皆で共有して、“こうなったら面白そう”などなど、意見を出しあい発表しました。

今回は、前回の皆さんの意見も踏まえて柏木さんがさらに整えた台本を配布。その中のいくつかの場面を具体的に考えていく作業を行いました。

「今日は2部と3部を皆さんと作っていきたいです。」と柏木さん。

2部の『粘菌人類』のオノマトペ、3部の禅問答を考えていきます。

「先にオノマトペを考えてもらって、今日は試しにこれを録音してもらいます。そして3部の禅問答を考えている間に音響さんに曲にしてもらおうと思っています。無茶苦茶なことを言っていますが、要するに音が重なるとこうなるということを体験してもらった方が分かりやすいと思って。」


■第2部 オノマトペ

オノマトペとは、例えば『キラキラ』や『ワンワン』など、擬音語や擬態語と呼ばれているものです。

「今回は菌類が出てくる感じのやつがいいなと思っています。どちらかというと、現実にない感じのオノマトペがいいです。例えば、『 あ″ 』って実際には発音できないけど、何となく近いものは発語できるじゃないですか。自分たちだけで分かる発語記号でもいいです。ほかの人にやってもらうわけじゃないので、こういうのが面白いんじゃない?という感じで色々なオノマトペを思いついていただけると嬉しいです。」


柏木さんのお話を聞いて、さっそく3チームに分かれてオノマトペを考えていきます。

案が次から次へと浮かんでくるチーム、どんな音の重なりにできそうかまで考えはじめるチーム、菌らしい音とは…?と話し合うチーム…どのチームもだんだんと考えが浮かんできて、会場の中に不思議なオノマトペが響き始めます。

今回は音響スタッフが、別の部屋に録音室を作りました。

できたチームからそこで録音です。


各チーム録音の様子



この録音を、音響スタッフが1時間ほどで3つの曲にしていきます。柏木さんの希望はバリ島のケチャという音楽のイメージ。


■第3部 禅問答

どんな風になるのか楽しみにしつつ、待っている間に3部の禅問答を考えていきます。

「問いと答えになるように皆さんに考えていただきたいですが、わざと問いに対して問いで答えるということもありです。問われると答えなきゃいけないと思うじゃないですか。でも禅問答の本を色々読んでみたらほとんど言いがかりみたいなんです。」

禅の教えの一部を柏木さん流に簡単にまとめるとこんな感じだったそうです。

●不立文字…お釈迦さんの教えが字になるわけない

●教外別伝…教えの外に伝えたいことがあるので、文字で書いてある教えはそこに行くための入り口でしかないからそこまでこだわらなくても…

●以心伝心…言葉にならないところに教えがあるので、言葉以外のところに伝えるしかない

柏木さん「異常な世界でしょ?禅問答までいくと問いの答えになっていないようなことが答えなんですよ。だけどそれは、お互いの状況からしたらそうとしか思えないよねっていうことを返しているから、それが答えとして成り立っているんです。シチュエーションや背景込み。それが禅問答。」

さらに「一応テーマは、生老病死です。四苦八苦って言葉があるじゃないですか。四苦というのは生老病死のことで、八苦は愛別離苦や怨憎会苦、求不得苦…みたいなモビルスーツの名前みたいなのが続いていきます。ようは人間の一生に起こるような出来事は苦として現れるということです。なので例えば“なんで稼がなきゃいけないんだ”とか、“なんで満員電車に乗らなくてはいけないのか”とかでもいいです。」と例を出しました。


こちらも先ほどと同じチームで考えていきます。

オノマトペのときとは打って変わって、皆さんじっくり言葉を紡いでいっている様子。


何分か経ち、どんな問答が出たのか発表していきます。

「問答になっていなくても構いませんよ」との柏木さんの言葉で、どのチームもたくさんの案を出していきます。

最終的にはホワイトボードの一面すべてを埋め尽くすくらい多くの問答が生まれました。


「『なぜ悪いことを考えるのか』って問いは、『なぜ悪いとされているのか』という問いも返せますね。」と柏木さん。

部員さんたちは「そういう発想もあるのか…!」と感嘆します。

出てきた言葉を最初から見ていくと、まずは「問答」が繰り返されて、途中から答えのない「問」だけになり、最終的に出てきたのは「答えを求めてはならない」でした。このまま物語になりそう。

「何という構成力。こんなに美しい構成ができるのかと感動しています。一般に見せる訳ではないですが、例えば見せたときに波紋を生むような表現が好きなんです。」と柏木さん。

「こういうことをやったときに、答えをちゃんと見せてほしいという人もいます。これはバランスです。エンタメに振ることもできるし、問いを深くすることもできます。何で決めていくかはアーティストの個性や観客層です。」と加えてお話されました。


さて、禅問答を発表している間にオノマトペの曲が完成しました。

録音した順に聞いていきます。

最初は、オノマトペがぽんぽん出てきたチームの音楽。ユニークなオノマトペをたくさん考えていましたが、音楽になるとよりユニークに。

次のチームは、自分たちで音の重なりもイメージしながらオノマトペを考えていたので、実際にできたものはイメージと少し違っていたかもしれません。ですが、チームの皆さんも思わず笑顔になる音楽に。

最後のチームは男性が多めだったのこともあり、他のチームより渋めの響きに。それがなんともいえない味があって面白いです。

皆さん興奮、大盛り上がりです。


柏木さんも「だいぶいい感じの方向性が見えてきたので先行きが本当に楽しみです。次回は、明日明後日の舞台美術ワークショップで作られていくセットの中で、どのように動くかとかが出てくるといいのかな。2部と3部はだいぶアホなことができそう。特に2部はヤバそうですね(笑)。順調に育ってきているので、今から楽しみです。」と笑顔を見せました。


短い時間の中で、濃い創作活動を行った今回の演劇ワークショップ。

次回はどんな風に進化していくのか今から楽しみです。

(マネージャー・まりこ)


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2023年3月10日(金)演劇ワークショップ③
講師インタビュー

「柏木さんに聞く!」

―今日、みなさんのオノマトペから曲をつくった市民館の音響スタッフがとてもいきいきしていて、階段をひとつ上がったようにみえました。持てる力を出した達成感というか……
(柏木)
実感を得られているってことですかね。前も話しましたけど、ここのスタッフワークはもっとチャレンジできるところがあるだろうな、というのを含んで台本を書いているので。市民の人も、市民館の人も、われわれも楽しんでできて、そこにちょっとでも学びがあれば。

―「禅問答」でも、柏木さんがスッと示唆するところがあって、みなさんも「気づいてなかった……」ってうなずいていたり、すごくいい刺激になっていると思います。それに、編集されたオノマトペの録音を聞きながら「自分たちが考えていたのと違う……、面白いじゃん!」って喜んでいる感じもあって。長峰さん、柏木さんのいう「変容」の部分ですが、元のものに別の手が加わり変容して、それがフィードバックされて次の段階へいく、というのが感じられます。
(柏木)
レヴィ=ストロースが構造主義にいたる過程で見つけたのが、人は交換がしたいんですって。たとえば今回でいうと、録音したものを構成どおりにつくることもできるけど、それは交換になってなくて。録音された素材がミックスされて違う形になってこっちにやってくる、それが交換になっているんです。自分たちが思ったものをつくるっていう喜びもあるんだけど、変数がかかって戻ってくるってことで、喜びが大きくなるんじゃないかなって思うんですよ。今日はそういう日だったような気がしていて。

―「変数がかかって喜びが大きくなる」!
(柏木)
出してみて、預けてみて、戻ってきたら「そうなってるのか」って、偶然の発見を楽しんでいる。変数がかかって喜びに変わるっていうのが好きな人たち。長峰さんもぼくもそっちのタイプなんだろうな。
最近思うんですけど、アーティストって2種類いて、思ったとおりに「こうつくる」っていう人と、いろんな人たちに投げて「こんなになるんだ」っていうのが楽しい人。「こうつくる」っていうのも喜びだけど、満足しないでつづけるか、そこまでいって「よし」って思うか、それしかなくなっちゃう。「こう変わるんだ」っていうのが楽しくなっちゃうと、「じゃ、今度これは?」ってずっと面白がれるし、ずーっとやっていられる。それは楽しいですよね。
明日・明後日がどんな活動でなにができてくるのか楽しみだし、それを受けて来週2回でぼくはどこまで仕上げなきゃいけないのかなって(笑)、楽しみです。

2023年3月3日金曜日

演劇ワークショップ②

 
3月に入り、少しずつ春の気配がしてきました。

絵からはじめる劇づくり部も本格的な創作活動に入っていきます。
3月3日(金)は、演劇ワークショップ②が行われました。
 

前回の合同ワークショップを経て、講師の柏木陽さんが台本案を作ってきました。

「皆さんから絵本のお話を聞いたり、絵を見たりして、僕がイメージしたことを台本の形に落とし込みました。今日は、“こんな風に考えています”と話をするので、それを聞いて“こうなったらいいな”ということがあったら言ってください。」と柏木さん。

台本は、オープニングと3つの場面、そしてエンディングといった構成になっています。

まずはオープニングについて

柏木さん「今のところ、1人の人が出てきて、筆を持っている。それを“えいっ”てやると点ができて、さらに“えいやっ”とやると線ができて…どんどん点と線が増えていく。オープニングはそんな感じで『天地創造』をやろうかなと思っています。何もないところから点と線がドカドカ出てくるみたいなのがいいです。」

1つ目の場面はどんな感じかというと…

柏木さん「生命が生まれて滅ぶまでをやろうと思います。一滴水が落ちると細胞みたいなのが生まれて、種から芽が出て、生命ができてきて、大きな動物、人間も誕生して…。さらに槍がペンになってフラスコになって銃になりミサイルになり、爆発が起こって終わり、みたいな。できるかどうか分からないけど、とりあえず台本に書きました。」

さらに2つ目は…

柏木さん「ぴちょんと水が落ちると菌類が生まれます。なんでそうなったかというと、この絵本を見て、キノコが生えてると思ったんです。別のページを見ると雷が鳴っているように見えて…雷落ちるとキノコが生えるって言いますよね?胞子も飛んでるように見えて。そう思ったら別の絵本を見ても、にょきにょき生えているものが全部キノコ、『キノコと人』みたいに見えちゃったんですよ。それなら『キノコで人』でもいいかなと思って。ということでこの章は菌類が生まれて、のびて、『粘菌人類』というのが誕生することにしました。『粘菌人類』が踊ってお祭りをするっていう風にしようと思っています。踊っているうちに干からびるなり、バラバラになるなりして滅ぶ。」


3つ目とエンディングは…

柏木さん「3つ目の場面では禅問答みたいな場面を作ろうと思っています。で、全部の対話が終わったところで『点と線』はパタパタ倒れています。エンディングは、筆を持った人が一人で去っていく。でも『点と線』は倒れていたはずなのに再び動き出す、みたいなことで終わりにしようと思っています。」

それぞれのパートで、こんな表現にしようと思っているとのこと。

OP. 天地創造→音響や照明をたくさん使う

1. 生命がうまれて滅ぶまで→影絵とか人形劇

2.  菌類が生まれる~粘菌人類が踊る~ほろぶ→オノマトペ

3.
 禅問答~点と線が倒れる→セリフによる対話

ED. 筆を持った人が1人で去っていく~でも点と線は再び動き出す



柏木さんから台本全体のイメージをお話していただいた後は、近くの席の人同士で“こうなったらいいな~”とお話をしました。

「こういう人がいたらなんか面白いんじゃない?」

「あれってどういうことなんだろう…」

「技術的にはどうなんですか?」

皆さん様々な角度からお話をしているようでした。

お話の中から出てきた意見や案を最後に全員で共有。

 

 

「今回のワークショップは『アーティストの頭の中をのぞく』ってこともあって、皆さんに情報を全部お伝えして皆さんの意見を聞いた上で、それを取り入れるかどうかは、僕と長峰さんに託されています。なので逆にいうと、皆さん遠慮せずに意見を言ってください。無理なものはちゃんと無理っていうので。」と柏木さん。

色々な意見が出る中で、館の技術スタッフが入っていたグループではこんな話が出たそうです。

部員さん「このグループは、(館の技術スタッフがいたので)舞台・音響の話ばかりしたんですけど…。例えば天地創造だったら音響のドカーンや照明のビカビカビカ!っていうのが強いと思って。ここは茅野なので八ヶ岳が全部噴火して火柱を立てたいな、なんて。技術スタッフがどこまでやるかというのもありますが…。」

柏木さん「ぜひ‼ものすごく期待してますから!音の暴力、音量が大きいんじゃなくて、色々な音がどんどん移り変わっていくみたいな…。普段、音も照明もあまり使わないんですけど、それだと皆さんのためにならないと思うので、今回はなるべく色々やってください。そのことに参加者さんが触れることで、“そうなるのね!”と体感することも今回のワークショップの役割だと思ったりしています。」

音響や照明がどんな風になるのかも楽しみですね。

柏木さん「動きや音も皆さんと一緒に作りつつ…だいぶ今回の僕は横暴だと思います(笑)。意見を出してもらって全却下ということも平気でするのが僕の今回の役割なので。普段のワークショップだったら出してもらったアイデアに対して責任を持ちます。でもそうすると『僕の頭の中』にはならないので、今回は、“意見は聞いたけど全却下です”ということもあるかもしれないです。」

また、その話を聞いた上でこんな意見が…

部員さん「怒られるかもしれないんですけど、粘菌人類って聞いたとき、私たちのグループでは『年金』の方を思い浮かべちゃって…。」

柏木さん「よし来た!待ってました!まさにダブルミーニングですよ!すごいくだらないですけど、ダブルミーニングには必ず意味があるんですよ。『粘菌人類』で菌類の話していると思ったら年金の話になっている。で、禅問答のシーンで、“人の金で生きることは悪か” “いや人の金以外で生きている者はいるのか”みたいなことを入れたりしても面白いですよね。」

 

舞台美術ワークショップで作った絵本から発想を得て、柏木さんが書いた台本。

その中に思いがけないダブルミーニングを見つけて、ここからさらに面白そうなことができそうな予感もした今回の演劇ワークショップでした。

舞台美術と合わさってどんな演劇になるのか今から楽しみです。

(マネージャー・まりこ)


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2023年3月3日(金)演劇ワークショップ②
講師インタビュー

「柏木さんに聞く!」


―今回の台本、ビジョンがすごく壮大で、ある意味ゴージャスで驚きました。
(柏木)
今回の『絵からはじめる劇づくり』は、ぼくのアイデアやイメージから始めないで、ほかの人のアイデアやイメージがあって、それとどう付き合っていくかっていうところから始まっていて、それはふだんのワークショップでのぼくのふるまいと近しいんですよ。
前回、オンラインでつないでやってたときに、みなさんの絵を見て話を聞きながら、ずっと文字打ちしてたんです。こんな感じで(キーワードのようなことばがぽつぽつと打たれているメモのようなもの)。あそこでもう7〜8割決まってて、だから台本に落とし込んだときには、もうほとんどできてるんですね、ぼくのなかで。

* * * * *
…と、ここから、今回のストーリーラインのある意味「真理」ともいえるようなエキサイティングな話が展開されました。が、それはみなさんの演劇づくりを経て、発表されるまでとっておこうと思います。…
* * * * *

―そのメモから「この流れがいけるな」と思って、そのように書いたんですか?

(柏木)
これが不思議なんですけど、ぼく、書いたあとに気づいたんです。先にないんですよ。「こういうことだからこう書こう」じゃなくて。言ったじゃないですか、無意識に触れないと創作できないんですよ。

―「無意識に触れないと創作できない」!
(柏木)
メモは多分、無意識をつなぎとめるために、無意識に刻印するためにしてるんです。実を言うとね、台本を書くときにメモは見てないんですよ。
前回のワークショップが終わって(ネットを)シャットダウンしたあと、「どうするといいのかなー」って思いながら、もう(台本を)書いてるんです、粗いものを。で、書きました。で、今日、茅野に来る電車のなかで見返しながら、皆さんにプレゼンするんだけど「なんだろうな」って思ってて、で、楽屋で「そうか、そうだったのか」って気づいた。だからたぶん、皆さんに説明する必要がなければぼくはまだ気づいてなくて、ふだんは稽古中に気づくんです。知っててやってるんじゃなくて、稽古と同時進行で気づいていくんです。だから、つくっているんですよ。

―気づいていくから、つくっている、という。
(柏木)
「こうなるから、こうつくりますよ」っていう思考だと発見がないから、その稽古は苦しいんです、ぼくは。なんだかわからないけど皆さんで手探りしていきますねっていう稽古の仕方をしないとしんどくて。
皆さんの考えてることってこれくらいゴージャスなものですよって表した、イマジネーションとしてとても豪華で、あんなに盛りだくさんなシーンがつづくようなものは、ぼくはふだん書かないですよ。だけど、まあいいんじゃないかな、今だったらつくってもいいかなって思えて。これに関しては多分、今後ぼくに気づきが訪れると思います。
ワークショップでつくっているのはなんでかというと、ぼくの思った通りにならないから。だから面白い。違う発想を持ち込む人がいて、ぼくが思ったことをやらない人がいて、だからワークショップで形をつくっていく。今回もつくりながら気づくし、つくりながら違うことがうまれていくんだろうと思うんです。それが多分、みんなで楽しくなるために必要なのかもしれない。

―それぞれ違う人同士がやりとりしてつくる…っていうのは、これまでも市民館でやってきているのですが、今回は柏木さんの「あたま」の磁場みたいなものに皆さんも引っ張られて、楽しみ始めているという感じがみえました。
(柏木)
今は実際の作業に落とし込んでないので、ここから皆さんと長峰さんに台本をお渡しして、長峰さんの作業が始まる。長峰さんの作業で「もの」ができてくると、ゆるぎなくそれはあるので、それとどう格闘するかってことになってくるかな、と思いますね。
あと、市民館のスタッフの皆さんには腕試しの場と思っていただければ。市民館って、管理的な目線と創作的な目線の両方があるといいホールなのかなって思うんですよね。お手盛りのことだけで終わらず、そこにどう応えていけるかっていうのは、苦しいですけど、でも楽しいはず。新しい人も増えているので、ベテランの知恵や経験を借りて、がんばって、「こうか!」って思う体験をいっぱいしていただければ。そのための、ある種のゴージャスさであり無茶振りでもあります(笑)。

2023年2月10日金曜日

演劇・舞台美術合同ワークショップ①


茅野市民館で演劇を楽しむクラブ活動。2回の舞台美術ワークショップ、1回の演劇ワークショップを経て、今回ははじめての合同ワークショップ。講師の柏木さん、長峰さん、部員の皆さんが一堂に会する予定だったのですが、前回の演劇ワークショップに引き続き大雪の予報が…

茅野市民館の中庭もこんなに真っ白に

積雪を考慮して、今回は講師のお二人はオンライン、部員の皆さんもオンラインと来館のどちらかを選んで参加していただき、3月のクラブ活動に向けての作戦会議を行いました。


まずは柏木さんから、
「今日は、私と長峰さんの方で今後どういう風に進めようと思っているかお話した上で、お互い思うところもお話をしていこうかと思います。その中で皆さんから意見や質問があればお聞きして、3月の活動で皆さんがどんな風に参加しようかという指針を決められるような手助けになる会になればいいなと思っています」とお話がありました。



「そうですね。まず皆さんの絵本が
1部PDF化されているそうなので、それを観つつイメージを膨らませられればと思います」と長峰さん。


「最終的には3グループに分かれて、3つの作品を作っていければと思っています。1グループ7~8分でパフォーマンスを作っていくようになりそうですが、共通のセットでうまくいければ美術的には良いな。今回の絵本のように、同じ絵を見ても人によって違う捉え方があるように、共通のセットでも使い方や見立てによって変わるという見せ方にしようと思うので。これからの手段としては、絵本の内容をちょっと精査していこうと思います。そのあたりを皆さんと一緒にやって、好きなページや偶然開いたページをもとにグループでストーリーを考えたり、この線やこの丸があればこの話おもしろくなるよね、という要素を絞っていって、それで私がエレべーション※と模型を作っていこうと思います。もしそれも興味のある方がいれば一緒にやっていけるといいかな。」と長峰さんが活動のイメージを紹介。

※エレべーション:舞台等の場面の立面図

さらに「舞台美術って、皆さんが描いた絵が劇場に入ったときに拡大されるみたいに考えてもらえると面白いと思うんですよね。あの絵本の中に人間が50分の1でいたら、この丸や線はどう見えるかっていうと多分ものすごく大きい丸や線になるんですよ。なので、ビジョンとしてすごく大きい丸や線が動くみたいになっていくと思います。絵本から取り上げたものが、そのまま動いて時間を感じるものとしてリアルに舞台上に存在するという風に捉えていただけたら。手元にあったA3サイズの絵が30倍50倍に拡大されるので、そうなったときに驚きがある。その辺を味わっていただけたら演劇の面白さが出てくるのではないかなと思ってやっていきたいと思います」とお話いただきました。


■絵本の一部を見てみる

ここで、前々回の舞台美術ワークショップで部員さんが作った絵本の一部を鑑賞しました。

まずは部長のおみつさんの絵本から。

長峰さん「森のようにも海のようにも見える!」

おみつさん「最後は大きな渦が折りたたんであって、ページからはみ出るんです。」


続いてイチカワさんの絵本。

長峰さん「なにこれかっこいい!勢いがあるし、構成が面白いですね。」


こちらの部員さんの絵本は、点の冒険をイメージしたストーリーがあるそう。

長峰さん「壮大ですね。ミュージカルにしたらよさそう!」


マユさんは絵本に擬音をつけて発表してくれました。

マユさん「にょにょにょにょにょ、ぴょんぴょん、にょにょにょにょにょにょん」

長峰さん「ブラボー!最高ですね!今のそのまま踊れそう。でたらめ語のバリエーションが豊かです。」


続いてナカムラさんの絵本。

ナカムラさん「あまり物語を考えずに作ったので何となくですが、左は“自分”で、右は“成長”のイメージです。」

長峰さん「潔くてかっこいいですね。すごい、色々なものに見えてくる!」


最後はヒラバヤシさん。「物語とかは考えていないのですが、音やリズムを感じています」とのこと。実際にやっていただきました。


ヒラバヤシさん「ぷ~~ぷっ、しゃらしゃらしゃらん、ぴろ、ぷっぴ、ぽたん」

長峰さん「ヒラバヤシさんもマユさんも、声のワークショップとか受けているわけじゃないんですよね?すごいな~!絵も小さなカットが入っていたりして、繊細さや丁寧さもいいです。」


■これからのクラブ活動

絵本の鑑賞をしたところで、話題は再び3月のクラブ活動について。

今回のワークショップ全体のテーマとして「プロの頭の中を見てみたい」という内容もあり、講師のお二人には普段スタッフ側とだけ話しているようなことを含めてトークしていただきました。

柏木さん※以下 柏「(絵本について)非常に楽しかったです。」

長峰さん※以下 長「イマジネーションを感じますよね。レベルが高い。」

柏「こうなってくると、僕の責任が重くなってきますよね(笑)。」

長「でもみなさんに託して大丈夫な気がしました。みんなの絵本をミックスしても全然できそうですね。」

柏「舞台美術としてはどんな感じでやろうとかありますか?」

長「皆さんが描いた線とかはそのまま生かそうと思っているので、そこから導き出すのをどうやっていこうかな。どの絵本も、点と線がいいので、それを絞っていく作業をみんなでやっていかないとな~と思っています。感覚的にこれとこれって感じで付箋を貼っていって、点と線のコンペみたいに。」

柏「僕の方は、一応点と線だから白黒になるだろうと思ったんですけど…。」

長「そうですね、白黒で、あれがそのまま起き上がったり立体になったり…。」

柏「多分単純に舞台美術だけじゃなくて、照明とどうするかって話にもなってくると思って…。台紙の色との関係もあると思うんですけど、そのあたりのイメージって照明との関係の中で見えてくるといいのかなとも思っていて。基本的には僕も線と点だけに集中しようと思っています。あと絵本の中で顔に見えるところがあって、それがマスクとかになったりするのかな…?」

長「それも全然OKで、衣装とかにしても絶対に面白いと思っています。イメージとしては、ピカソやロシア構成主義のマレーヴィチという人がオペラをやっていたりするんですけど、それこそピカソのバレエだとバレリーナが箱みたいなのかぶって不自由な踊りを踊ったり、マレーヴィチも変な仮面かぶってさっきのマユさんやヒラバヤシさんのように唸ったりしている作品があって…。なんかそういう感じになると面白いのかな。もちろんそこに共通のストーリーとかはあるんですけど。仮面もできるし、できるならプロジェクターでかぶせたりとかも面白いと思ってます。」

柏「なんとなく、いま見せていただいた絵本の中からの発想としては、繰り返すことだったり、自然の風景や水墨画のような感じをイメージしました。茅野や諏訪地域という土地柄、ぐるぐるしてたり、小さいところから育ったりってイメージがあるのかな。あとは、シーンとしては3場面ぐらい作るけど、どこかで関わった人がみんな出てくれるといいなと思っています。例えばお祭りのシーンとかあればぐるぐる回っているだけでいいので参加してもらったりとか。コアの人たちで作っていくんだけど、大量に出てくれたら面白そうでいいな。」

長「関わりがあるといいですよね。3つ作るけど、それぞれがリンクしていくといいなと思います。」

柏「結び付けていくようにして、あるシーンはオノマトペのみとか、このシーンはかけ合いがあるとか。」


―次回は3月3日(金)、それから3月10日(金)と演劇ワークショップが2回続き、3月11日(土)、3月12日(日)が舞台美術ワークショップです。

こもん「今の話を聞いていると、多分柏木さんが今までの流れを感じながら動き出す感じですかね?」

長「それで大丈夫だと思います。3日、10日で絵本の要素を抜き出してもらえれば、11日、12日で舞台化できるように私の方でもやっていきます。舞台美術は実務的な作業に入っていきますが、材料はダンボールパネルを使おうと思っています。演劇のワークショップの中で、皆さんからこの点や線を使いたいという意見が出てきたら、例えばPC上でその絵を拡大してA3でコピーして貼り合わせて作ろうと思っています。皆さんが描いた絵を3メートルくらいにしたら画質も粒状に粗くなって面白いかなと。それをダンボールに貼っていく。私の知り合いの大道具の宮本くんにもお手伝いしてもらって、垂木も使って大道具を作る作業になっていくと思います。感覚でも、ストーリーができていればそれに伴うものでもいいので、3日、10日でいくつか点と線を選んでもらって、それをどんなバランスで縮小拡大したら面白いかを柏木さんとも相談しながら精査して11日、12日で拡大して大きいものを作る作業ができれば…。」

柏「僕の方でキーになる点と線、ページが選べたら、それを長峰さんに伝えるようにします。」

長「3日の時点で分かればありがたいです。皆さんの中でも、自分の絵本の中でこれは使いたいというのがあれば欲しいです。それを次回3日までの宿題にしてもいいかもしれない。」

柏「パフォーマンスしたい方は3日、10日にご参加いただければと思いますし、工作したい方は11日、12日ご参加いただいて、ぜひもりもり作っていただけると、その後の展開が楽しくなってくると思います。多分、不思議なステージになると思います。」

長「なると思います。なんか、毎回ワークショップも違う作品が生まれるっていうことでいいと思うんですよね。本番のときも違うみたいな(笑)。続けているんだけど、全然違うのも出てくる方が面白いと思う。」

柏「例えば点とか線とか、そのダンボールパネルが出る順番は決まっているけど、何を話すかはその日次第みたいね~みたいな。」

長「ゲネと違うじゃん!みたいな(笑)。」

柏「あと自然の移ろいみたいなイメージが絵本の中にけっこうあったので、照明さんと音響さんがご参加いただけると嬉しいなと思っています。」

こもん「技術スタッフも参加させていただきます。皆さんのイメージに寄り添うような感じで。」

柏「技術さんのアイデアによってはもう一展開みたいなこともあるかもしれないと思っているので。」

長「どんどん参加してもらえたら!」


■柏木さんの演出

合同ワークショップ後半は、柏木さんの演出についてお話をしていただきました。

「実際にはあと2時間くらいないと話しきれないんですが…(笑)。」と柏木さん。

演出の仕事には、現状セオリーがないので色々やり方があるとのこと。

その中で柏木さんは、南米で演劇を作っていたアウグスト・ボアールの存在が、自身の演劇のバックボーンになっていると語りました。

「現場での演出家の役割はビジョンを描くことと、今どんな風になっているかミラーリングすることの2つだと思っています。」

今回は絵本があるのでそれがビジョンになりますが、その絵からもらったビジョンをどう具体的にしていくかを展開していくことになりそうです。

「考えた通りのことを作るのではなく、そこに思ってもいないことが起こることが大事だと思っていて。思った通りのものを作るなら、僕はいらないんです。思った通り伝わることは僕が望んでいるものではないので。思った通りには伝わらなかったけど、何かが伝わって、「あっちにはそういう理解をされたっぽいよ~」みたいなことで僕は良いと思うんですよね、演劇作品って。」と柏木さん。

さらに「アクシデントみたいなものは実はお友達で、思ってもみない展開というのはすべてこちらの味方になってくれているんですよ、っていう形の作品作りをしていけるといいなと思っています。」とお話されました。


■部員さんから一言

講師のお二人から色々なお話を聞けた今回のクラブ活動。

最後に部員さんにも一言いただきました。

「決まり事がない舞台を体験できるのが楽しみ。」

「絵本の中に50分の1の人がいるというのがすごくワクワク。」

「よく分からないけど、楽しそう。」

「オンラインがはじめてで自分で出来たことが嬉しい。」

などなど、様々な感想が出てきました。


3月のクラブ活動は以下の通りです。

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3月3日(金)18:30~20:00 演劇ワークショップ②
3月10日(金)18:30~20:00 演劇ワークショップ③
3月11日(土)13:30~16:30 舞台美術ワークショップ③
3月12日(日)13:30~16:30 舞台美術ワークショップ④
3月16日(木)18:30~20:00 演劇ワークショップ④
3月17日(金)18:30~20:00 演劇ワークショップ⑤
3月18日(土)13:30~16:30 舞台美術ワークショップ⑤
3月23日(木)18:30~20:00 演劇ワークショップ⑥
         18:30~20:00 舞台美術ワークショップ⑥
3月24日(金)18:30~20:00 合同ワークショップ②
3月25日(土)13:30~16:30 合同ワークショップ③
3月26日(日)13:30~16:30 合同ワークショップ④(発表・振り返り)
※詳しくはその都度ご連絡します

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回数も多くなってきますので、ご自分のペースでご参加ください。

劇づくり楽しんでいきましょう!

(マネージャー・まりこ)


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今回の講師インタビューはおやすみです