昨日はオノマトペで演じる第2部の動きや踊りを考えていきました。
引き続き、舞台上での動きや台詞を決めていきます。
今日は第2部「粘菌人類」の復習、第1部「命が生まれる」のラストのさわり、第3部「問答」の言葉の精査をしていきます。
■第2部の復習
昨日お休みだった部員さんはお客さんになって鑑賞します。
昨日繰り返し練習した甲斐もあり、皆さんほとんど迷いなく動けました。
柏木さん「本番日に近づくと、また人が増えたり減ったりすると思うので、大体こんなことをするのねと思っておいてください。」
■第1部ラストのさわり
第1部では、生命が生まれて滅びるまでを表現しますが、今回は人間が出てくるところからの動きを考えていきます。
実際に動きを付けていきます。
まずは、みんなで仲睦まじく出てきます。
そこにひとり立つ人が…
柏木さん「皆が睦まじげにしてるじゃない。それを見回して、しゃっしゃっ。」
ひとり立つ人が、しゃっしゃっと槍を研ぐ
ちなみに、この流れになったのは、前々回のワークショップで作った曲に1つが『戦い』の曲だと思えたからなのだそう。
柏木さん「部族の戦いみたいなのを連想できたので、そんな感じにしようかなと思って。」
大体の動きが確認できたので、音をかけながらやってみました。粘菌人類のときよりシーンの移り変わりがあってなかなか忙しそう。
柏木さん「いっぱいいっぱいだったね。銃を撃ち始めたら次は見上げるんだと思ってください。“あぁ…来た…“と思って死んでいく。」
これで一通りの流れはできました。
自分や皆に拍手!
さてさて最後は台本を手に、第3部の問答のシーンの言葉を精査していきます。
柏木さん「これは重複しているから削ろうとか、残そうとか、アイデアが色々あると思うので、ざざざっと目算を立てていきたいと思います。」
3つのグループに分かれて話し合います。
「どっちかっていうと、言い足りないことありますか?」と柏木さん。
めいめい意見を出していきます。
部員さん「”なぜ夢を持ってしまうのか“に対して、“夢とは何か”とかあってもいいかも。」
柏木さん「反駁的な問いで返してもいいことだね。“夢を持たずに生きていくことはできるのか”とかね。」
部員さん「夢の部分、ちょっと順番を変えるとスッキリするかも。」
台本は皆さんからの意見を踏まえて、さらにブラッシュアップされるとのことですが、とりあえず今の台本を合わせて読んでみることに。
柏木さんからのアドバイスを受けて何回も繰り返していきます。まさに演劇部といった様相です。
「皆さんちょっとずつテンポが遅い。自分の中で何とかするんじゃなくて、相手から貰って次の人に渡すことで、効果の最大限を発揮する感じで。その人が次の効果をうんでくれるんで、絶対に。」と最後にアドバイスをもらって、今回は終了。
第1部から第3部のシーンも大体見えてきて、楽しみも覚えることも増えてきたワークショップでした。
…ちなみに
実はこの日、明日の舞台美術ワークショップの講師の長峰さんと、大道具の宮本さんが前日入りして、舞台美術の作業をしていました。
舞台美術で作った太陽を実際にマルチホールの舞台上に吊るしてみました。
「もう僕の頭の中じゃなくなりつつありますが、今度はこれを僕の頭の中に入れて、ガッチャンコしてまとめるぞっていうのが仕事になっていきます。」
舞台美術も演劇もどんどん進化してきています。
次回も楽しみです。
(マネージャー・まりこ)
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2023年3月17日(金)演劇ワークショップ⑤
講師インタビュー
「柏木さんに聞く!」
―今日もまたどんどんシーンができていって、それもすごかったのですが、特に最後の台詞を読んでみたところが印象的でした。最初に言葉を自分たちのこととして吟味してみてから、読みはじめる。そのうえで、「ニュアンスよりむしろテンポ」「だれかからもらってだれかに渡すようなか感じで」という。
(柏木)これまでのからだの動きでつくる部分はある意味、自分の表現を出すっていうのができたけど、今日の言葉の部分はそうじゃないってところですよね。言葉になると、突然「テキスト対自分」になっちゃうんですよ。相手役も観客もいなくなっちゃう。自分のなかだけで全部やろうとするんだけど、相手に投げてくれないと。その、自分のなかに持ってるものを渡して、って思うんです。
で、言葉の表現ってなると抑揚をつけちゃうんですけど、日本語って英語とかと違って、抑揚っていうよりリズムとテンポ、スピードだから。今日読んだ「夢」の部分は、なんだろう、バレーボールみたいにポンポンポン、Aクイック!みたいな、思いがけないところに投げかけて隙をつきたい。今回のこの台詞だからっていうのももちろんあって、そうじゃなくてドスンと置く言葉のところもあるし。この言葉って、それこそみなさんの絵からうまれたもので、だから抽象度の高いものになってるっていうのもありますよね。
―からだを通したやりとりはできるんだけど、言葉になるととたんにやりとりできなくなる、というか。
(柏木)スタニスラフスキーが言ったという「役をつくる、感情を表す」って、今言われているような意味なのか?ってところももちろんあるんですけど、でも、自分じゃなくて観客のなかに情動を起こすことが大事だと思うんですよ。だから今日みたいなものも、そういう技術として体感してやってみてって思うんです。技術って身体化されていないと出せない。身体化するには繰り返すしかない。でもその繰り返しに耐えるのは喜びしかない。その楽しみと喜びの先に高みがあるよって。
―今日は長峰さん、宮本さんも午後から入っていて、一緒にマルチホールで舞台美術を含めた進捗を確認しましたが。
(柏木)長峰さんとも話したんですけど、今回は研究するコンテンツというか、全部はできてなくても「こうなったら面白い」ってところが見えてくればいいですよね。完成系っていうより、方向性、指向性はあって、もうちょっとここに時間をかけたらいけるかもしれないっていう、その先の可能性が見えてくれば。いやあ、それにしても本気っていうか、ちょっと狂ってますよね(笑)。面白くなってます。
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