2023年3月18日土曜日

舞台美術ワークショップ⑤


318日(土)、舞台美術ワークショップ⑤が行われました。今回の講師は長峰麻貴さんと宮本洋平さんです。

前回3月12日の舞台美術ワークショプに引き続いて、舞台で使う道具を作っていきます。

「できたものが、どういう風に動いたら面白いかと考えつつ。それから、動かすときにここに取っ手があったら使いやすいよね、みたいなことも出てくるかもしれないので、これは宮本くんにも相談しながら作ってみてください。」と長峰さん。



今回は道具帳のデザイン画を実物のサイズに落とし込みながら、実際に使う想定をして作っていく作業になります。

さっそく取り掛かります。


道具帳を見ながら丁寧に、
でも大胆に描いています。

このチームは前回のワークショップで作った下地に、
今日は思いっきり描いていきます。

前回にじみの研究をしていた部員さん。
いよいよ本描き。

知恵を出し合い

協力しながら作業していきます。


前回たくさん描いた素材の絵を貼り合わせて、
大きいものができそうです。


にじみを描いていた部員さん。
長峰さんにも確認してもらいます。



ある程度できた道具は、作業していた2階のアトリエから、舞台のある1階のマルチホールへ持っていきます。大きいので持っていくのもちょっと大変。



マルチホールでは、宮本さんや数名の部員さんができた道具に木材などを取り付けて、道具として使えるものに補強する作業をしていました。


グルーガンを使って支柱の取り付け作業



あっという間に今回も3時間が経ちました。



「たくさん道具帳があったのに、どういうわけか出来ましたね。劇団四季のロングランミュージカルみたい。おかげさまで素晴らしいものができています」と長峰さん。

マルチホールの様子を見てきたスタッフによると、「宮本さんと数名の部員さんたちが下で作業をしていて、上は作家さんの集まりだから、僕たちは夢を現実にする仕事をしていますと言っていました。」とのこと。


皆の表現を、実際に使い易い道具にしてくれている人がいる。全員の力が合わさって舞台が作られているのを感じます。


せっかくなので、アトリエで作業していた部員さんも、マルチホールの様子を覗いて本日のワークショップは終了です。



いよいよこれからは、実際に発表を行うマルチホールでの作業に入っていきます。道具の形もほぼ見えてきて、どんな雰囲気になりそうか徐々に見えてきましたね。まだまだやることはたくさんですが、楽しんで活動していきましょう!


(マネージャー・まりこ)

 

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2023年3月18日(土)舞台美術ワークショップ⑤
講師インタビュー

長峰さん、宮本さんに聞く!



―今日はみなさん、始まった瞬間からスッとやりたいことに向かって動いていって、数日空いた後とは思えないくらい早かったですね。途中から、2階のアトリエで熱心に描いている人たちと、1階のマルチホールで道具にする仕事にとりかかる人たちがいたのも面白かったです。
(宮本)
始まりの勢い、すごかったですよね。僕はアーティストとか表現者ではない気持ちでいるので、いい意味で引いていて。今日1日でどうやって落とし込むか、頭の中で動きを弾き出してました。ぼくらは現実をつくる、具現化する仕事だから、ケツ持ちというか。
表現が得意だったり感情の出し方がうまい人は、ぼくも憧れているところがあって、だから今の立ち位置があるんですけど。で、ああいう空間で並んでみたときに、ちょっと手が止まったり滞ったりする人もいる。なので、道具をつくる1階に一緒に来てもらう人と、離れた2階に残って早めに欲しいものをつくってもらう人っていうフォーメーションを組んだら、自然とハマっていったんですよね。力を発揮するポジションがあると、人は輝きますよね。いいグルーヴがありました。

―そういった動きがあったとは気づきませんでした。でも、お二人とも事前に打ち合わせして、そう動いているわけではないんですよね。
(長峰)
そんなに打ち合わせしなくても考えてることが大体分かってるし、助かってます。
(宮本)現場は生きてますからね、ライブで動いてるからみんな生き生きするし。それにやっぱりみんな長峰さんについてくるじゃないですか。これってすごいなっていつも思ってて。
(長峰)どんどん引き出して「やれやれー」ってやって、後からこっそりブラッシュアップしたり直したりしてるけど(笑)。
(宮本)「美術」という観点で、締めるところは締めてますよね。僕が口出しすぎると、安全性や時間ってところはうまくいくし、ちゃんとした商品はつくれるんだけど、枠にはまって面白さは半減するんですよ。ああいう一気のパワーとか、知らないっていう魅力が振り切る瞬間とか、余白を削ることにもなっちゃうので、極力気をつけてます。
(長峰)計画どおりにいかない方が意外と面白い。
(宮本)よく「面面(おもおも)」って言ってるんです。「面白いことは面倒くさい」。
(長峰)簡単で面白いことはない。
(宮本)記憶に残らないですからね。

―この道具たちが自分の手から離れて舞台に立つと、また全然違う面白さを感じられるんだろうなと思いました。

(長峰)
みんな、普段しない経験をしているかもしれない。道具が24個もあって、なんであんなに描いちゃったんだろうって思ったんですけど、今回わたしも、自分のなかで収まらないことをやるのが目標だったんで。
(宮本)その目標、今聞きました(笑)。
(長峰)みなさんがつくった本のなかのモチーフが良すぎたんですよ。あれでも削ったんです。20人くらいいるからできるかっていうようなビジョンでやって、で、まあ大変だった(笑)。大変なものができてくるとすごいから。
(宮本)いや、めちゃめちゃいいっすよ。
(長峰)夢を実現してますよね。「舞台は夢を現実にする仕事だ」って小竹先生(舞台美術家・小竹信節さん)は言ってました。そこをみなさんも一緒に、やってきてるんですよね。


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