なので、「どの順番で道具が出てくるといいなということと、そのときにどんな動きをしたらいいか、それからその道具を持って出る“びじゅつびと(美術人)”が誰なのかを確認していきます」と柏木さん。
■新曲の収録
ワークショップが始まる前に、有志の部員さんが楽器やオノマトペの音を録音していました。楽器は部員さんの自前のもの。
オノマトペも交えて録音した音を、今回も市民館の音響スタッフが曲に仕上げていきます。
どこで流れるのかは、またのお楽しみ。
■シーンづくり
それではシーンづくりがスタート。
まずはプロローグ。ひとりの人がやってきて、筆をおいて世界がはじまるシーンから作っていきます。
筆を持つ人は重要な役です。
柏木さん「筆の人、やりたい方いますか?」
「はーい!」と手を挙げてくれたのは演劇も舞台美術も両方参加していたユカリさん。
手には筆に見立てた竹ぼうき。
●プロローグ~天地創造~
冒頭のシーンでは、道具が舞台上を上手に下手に通り過ぎていきます。このときに使う道具は、持ちたい人が持って出ることに。
●第1部 命が生まれ亡びるまで
柏木さんの言葉に、蚊蜻蛉の皆さんは直ぐに反応して
つつつ…とはけていきます
少しずつ止めながら確認していきます。
続いて、人間が現れて亡びるまでのシーンへ…
あれ?どんな風に動くんだっけと迷う場面も。
柏木さんと再確認しながら動いていきます。
マルチホールのステージ上は、練習していた部屋よりだいぶ広く感じますね。
■第2部 粘菌人類の誕生と滅亡
粘菌人類の導入のシーンでは、道具や“びじゅつびと”がたくさん出てきます。照明も賑やかです。
■第3部 創作者が自己を振り返る
第3部の問答のシーンの具体的な部分は、台詞の割り振り含めて明日のワークショップで行うことに。
最後の台詞「答えを求めてはならない」の部分だけ、試しに合わせて読んでみました。
1時間半なので、あっという間で今日は時間切れ。
「猛烈に作ったから多分明日やるときに“どういうこと?”ってなると思うので、明日も頭から確認していきます」と柏木さん。
明日は発表前最後のワークショップ。いよいよラストスパートです。怪我をしないように気をつけつつ動いていきましょう。
(マネージャー・まりこ)
* * * * * * * *
2023年3月24日(金)
演劇・舞台美術合同ワークショップ②
講師インタビュー
「柏木さん、長峰さんに聞く!」
(長峰)贅沢ですよね。ふだんはそんなに長く劇場に入れないので、模型の段階で決めて、エレベーションで画面の絵を描いてそのとおりにやっていくケースが多いんですけど、やっぱり生で見ると違う。一番ダイレクトでいいやり方だと思います。
(柏木)それに、昨日見せてもらったところで割と段取っているから。これは一場だな、二場だな、とか。
(長峰)つくっているのを見てイメージが湧いたんですよね。柏木さんは、つながるようにって美術をつくってるところも見に来てくれたり、すごい優しい演出家だと思う。それも普通じゃありえないけど、自然なやり方だなと思う。そういう方が一緒につくっている感じがしてわたしはやりやすいし、楽しかったです。
(柏木)昨日も「オーディションするよ」って言ったんですけど、あれ(舞台美術)は出演者なんですよ。出演者をないがしろにはできないわけで。
(長峰)つくってる過程も見てくれてるから、共有してないようですごい共有できてるなっていう感じがしていました。
(柏木)最初の段階で長峰さんにぼくの初稿を送って、でも反応ないから見てないかなって思ってたんだけど、長峰さんのエレベーションをみたら初稿を読んで描いたように見えたわけ。あ、なんだ読んでんじゃんと思っていざ話したら「ごめん読めてない」って。それでこれが出てくるっておかしいから〜って(笑)。
(長峰)同時出しみたいになったんだよね。
(柏木)ぼくもエレベーションを見ず、長峰さんも本を読まず、よーいどんって出したものが一緒なんです。ということは、最初の「点と線」と絵本づくりのところがやっぱ面白いんですよ。
(長峰)あれを通して見えてきた世界が一緒だったんですよね。
(柏木)ぼくは物語世界とセリフに落とし込んで、長峰さんはどの線と形をピックアップして、どう立ち上げていくかっていうことの方に、イメージの世界がもう出来上がっていて。それが比較的共通項だったわけですよね。それで後半の作業がすごくやりやすくなっていった。
(長峰)みなさんの空気感もあって、無理せずスッと行けた感がありますね。すごく自然な良いつくり方。共同制作の理想形みたいな感じがしますね。
―やっているみなさんに、本当にこの舞台を見せてあげたいなって思いました。
(柏木)市民館ではみんな、あれを普通のこととして受け止めるでしょ。異常だから(笑)。こんな規模でこんなことはやらないですよ。
(長峰)前代未聞なことが起きている。結構すごいムーブメントかもしれない。めちゃくちゃ映えてますよね。ロバート・ウィルソンかって思った(笑)。
(柏木)昔のバレエ・リュスの「パラード」とか、きっとこういうことだなって思った。バレエダンサーが出てないだけで。
(長峰)もっとブラッシュアップしたらかなり実はすごい。
―長峰さんは今日、諏訪大社とふじもり建築を見に行かれたんですよね。
(長峰)諏訪大社に行ったらいきなり柱があって、神楽殿を見たら太鼓が月と太陽みたいに鎮座してて。もう鳥肌立っちゃいましたよ。
(柏木)そう、今回展開されてる世界ってあれなんですよ。アニミズム的シンボリズムというか。月、太陽、柱が四つ。
(長峰)ここの地って、点と線の世界ですよね。つくらされちゃってる。この土地に動かされちゃってる。
(柏木)最初、鳥獣戯画をもとにしようって思ったけど、長峰さんから点と線のワークショップがあるからそれをやって、そのあと水墨画的な世界に行ってもいいしって言われて。でも、その点と線で行っちゃったほうがいいだろうなって。
(長峰)柏木さんってすごく柔らかい。すごいバランスが取れた演出家だなって思いました。
(柏木)ワークショップに来た人たちに、ああそれだーって感じをもってもらえたらって、やっぱり思うんですよね。あの舞台美術たちがここまで引っ張ってきてくれてるから。
(長峰)あれだけのものをワークショップでつくったのは初めてですね。物理的にも空間的にも。そういう意味でやっぱり感動を覚えますよね。昨日も「本気の遊び」って話がでましたけど、小竹さんが「美大の役割は最高の遊びを世の中でつくり出すことだ」って。美大でも共同制作をやってるんですけど、今回は戯曲が書ける柏木さんの力というか、一緒にやれてることがこんなに楽しいんだっていうのは、すごくわたしのなかでもうれしい。
(柏木)今回はある意味、完成させなくていいっていうぐらいの器の広さがあるから、それって大事だなって思ってて。それで、このくらいの日数と時間と人数とで、このくらいのものができるってわかる。
今回は、どういう風につくってきたのかっていう過程と、発表する形をつくったことを通じて、長峰さんとぼくの発想を知りたいっていうのがあるので、発表が終わった後の振り返りで、みなさんいろいろ聞いてくれるといいですね。
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